オリオに取り込むように提唱してからは、その動きがいっそう顕著になった。その後、金融のメ ッカであるウォールストリートでも、不動産が投資対象として急速に浮かび上がる。REIT (不動産投資信託、後述)の成長、不動産の証券化の進展によって、不動産と金融商品との境界 がますます低くなったことも、不動産のポートフォリオ運用を促進することとなった。 米国におけるこうした流れを考えれば、今後、日本でも不動産のポートフォリオ運用が広まっ てくるのは間違いない。これからは、ポートフォリオ理論の基礎程度は理解しておくことが、不 動産に投資するのにも不可欠となる。 その必要性は、自ら複数の不動産に投資を行う場合に限らない。企業がほかの投資家に不動産 を売却するときも、あるいは証券化して売却するときであっても、投資家がどのようなニーズで 投資しようとしているのか、ポートフォリオ理論を知らなくては、そのスタンスを理解すること ポートフォリオ理論の理解は、個人にとっても不可欠である。不動産の証券化が進めば、たと えば1口別万円から、気軽に不動産投資ができるようになる。そのときに、証券化の対象不動産 がどのように運用されているのか、どの証券に投資したらよいかを判断するためのベースとなる からである。